理解はできないが受け入れる
梨木香歩『春になったら苺を摘みに』より
中学3年生、初めて人間関係で悩んだ時にふと手にした本の中の一文です。 当時の私には「そんな寛容な人になれるのか?」と衝撃的な言葉でした。しかし、「理解はできないが」という一言によって自分と相手を区別することができ、当時の心を助けてくれました。以来、苦しい時や悩んだ時に自然と思い出す言葉となっています。 生きているとどうしても、他の人の言動において自分には理解し得ないことに衝突する時があります。 そんな時(法に反する等極端なものは除いて)、すぐに否定するのではなくこう考える人もいるんだと思えば、新たな視点が開けたり成長につながったりするはずです。と、同時にそれは、無理をして単に周囲に合わせるということでは無く、対象に対する自分の意見としっかり向き合うことで可能になるのかもしれません。
2020.07.01